アドベントからクリスマス
      "私のクリスマス"を作品にしました。

    
    トナカイの前にある☆イエスさまに目を止めます。
アドベント

聖書 ルカの福音書1:67〜80 さて父ザカリヤは、聖霊に満たされて、預言して言った。「ほめたたえよ。イスラエルの神である主を。主はその民を顧みて、贖いをなし、救いの角を、われらのために、しもべダビデの家に立てられた。古くから、その聖なる預言者たちの口を通して、主が話してくださったとおりに。この救いはわれらの敵からの、すべてわれらを憎む者の手からの救いである。主はわれらの父祖たちにあわれみを施し、その聖なる契約を、われらの父アブラハムに誓われた誓いを覚えて、われらを敵の手から救い出し、われらの生涯のすべての日に、きよく、正しく、恐れなく、主の御前に仕えることを許される。幼子よ。あなたもまた、いと高き方の預言者と呼ばれよう。主の御前に先立って行き、その道を備え、神の民に、罪の赦しによる救いの知識を与えるためである。これはわれらの神の深いあわれみによる。そのあわれみにより、日の出がいと高き所からわれらを訪れ、暗黒と死の陰にすわる者たちを照らし、われらの足を平和の道に導く。」さて、幼子は成長し、その霊は強くなり、イスラエルの民の前に公に出現する日まで荒野にいた。(新改訳改訂第3版)

「さんびのことば」
 聖書個所はザカリヤの讃歌として有名です。ザカリヤについてはルカの福音書1:5〜66.にバプテスマのヨハネの父として詳しく見ることができます。ルカ1:68.の初めのことばは「ほめたたえよ」で、さんびのことばです。
 ザカリヤは何をさんびしているのか確かめることにしましょう。

1、神さんびでした。ルカ1:68.
 「ほめたたえよ」の次を読むと "誰を" が分かります。「イスラエルの神である主を」つまり、神をさんびすることです。これは、イエスさま降誕前に起ったザカリヤのことです。
 クリスマスは、神さんびこそふさわしいものです。絵画・音楽・文学によって神へのさんびが豊かです。なぜなら、神こそ讃美を受けるにふさわしいお方だからです。(黙示録 5:12 彼らは大声で言った。「ほふられた小羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」)とあります。
 私たちはアドベントもクリスマスも、神讃美にあふれたいものです。

2、神の恵みでした。ルカ1:68,71〜75.
 ザカリヤが「ほめたたえよ」と言った理由は、贖い(救い)でした。ここには「敵」からの救いが歌われています。本来の敵は人を罪に落とし入れ堕落させる悪魔(サタン)です。悪魔からの解放が神の恵みであり救いです。
 サタンの働きは巧妙でなかなか人は気がつきません。だから落とし入れられるのです。
 サタンの働きを見抜く秘訣は、サタンのわざだと気付くことです。気がついたら、その時は、サタンから解放されています。気がつかないとずるずるとむしばまれて行きます。(イザヤ43:1 だが、今、ヤコブよ。あなたを造り出した方、主はこう仰せられる。イスラエルよ。あなたを形造った方、主はこう仰せられる。「恐れるな。わたしがあなたを贖ったのだ。わたしはあなたの名を呼んだ。あなたはわたしのもの。)贖われた民・救われた民は、「恐れる」必要はありません。すでにクリスマスの主イエスさまによって勝利が与えられているのです。救われて、恐れから解放されているならば、生活の中に「ほめたたえよ」が実現するのです。
 ザカリヤにとって息子バプテスマのヨハネの誕生が「ほめたたえよ」につながっているのです。

3、預言の成就でした。ルカ1:69,70.76 〜79.
 救いの主、イエスさまが来られることは預言の成就でした。預言されていたことが実現することは、「ほめたたえよ」に直結いたします。イエスさまの降誕のできごとの記事には、決まって預言の成就のことが記されています。ザカリヤにとって預言の成就は喜びに満ちたことでした。
 私たちも聖書の預言が成就していることを理解すると「ほめたたえよ」が実現いたします。音楽ではクリスマスさんびです。クリスマス音楽は驚くほど多いのです。私たちが知っているものは、ごく限られた曲なのです。これからも名曲が生まれて来るでしょう。そこには「ほめたたえよ」があるのです。クリスマスの歌をうたうことは自分がキリスト者であることを明かすこととなります。積極的にクリスマスさんびを口ずさみたいものです。
 もう一つ、心に止めなくてはならないことは、ザカリヤは誕生した息子ヨハネの働きを預言しています。自分の子供の将来について、こんなにはっきり言える人はいません。子供に期待し願うことはできますが、その生涯をザカリヤのようにはっきり言える人はいません。ザカリヤのことばに神のみわざを見ることができるのです。
 私たちはアドベントの期間もクリスマスの主イエスさま、神をほめたたえることとなるのです。


クリスマス
聖書 ルカの福音書 2:22-32.さて、モーセの律法による彼らのきよめの期間が満ちたとき、両親は幼子を主にささげるために、エルサレムへ連れて行った。──それは、主の律法に「母の胎を開く男子の初子は、すべて、主に聖別された者、と呼ばれなければならない」と書いてあるとおりであった──また、主の律法に「山ばと一つがい、または、家ばとのひな二羽」と定められたところに従って犠牲をささげるためであった。そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。聖霊が彼の上にとどまっておられた。また、主のキリストを見るまでは、決して死なないと、聖霊のお告げを受けていた。彼が御霊に感じて宮に入ると、幼子イエスを連れた両親が、その子のために律法の慣習を守るために、入って来た。すると、シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。「主よ。今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます。私の目があなたの御救いを見たからです。御救いはあなたが万民の前に備えられたもので、異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの光栄です。」

「喜びにあふれて」
 ルカの福音書に登場するシメオンから「喜びにあふれて」を学んでみましょう。
1、シメオンと言う人。ルカ2:25,26.そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい、敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。聖霊が彼の上にとどまっておられた。また、主のキリストを見るまでは、決して死なないと、聖霊のお告げを受けていた。
 ルカはシメオンに最高の賛辞を送っています。「正しい、敬虔な人」と記しています。シメオンは、人となりといい、神への姿勢といい、落ち度の無い人です。しかも「イスラエルの慰められることを待ち望んでいた」(ルカ2.:25.)と記されています。この「慰め」は、キリスト(メシヤ)の救いのことでした。同時に、真の慰め主である聖霊による慰め、つまり、人からではない慰めを期待していたのです。それは、キリスト(メシヤ)が来られるのを待ち望む真のイスラエル人であったのです。その確かな証拠として「聖霊が彼の上にとどまっておられた」とされています。
 シメオンは、実に信仰深い生活をしている人だったのです。加えて、「キリストを見る(ルカ2:26).」ことができると約束されていた人と紹介されています。

2、シメオンと幼子イエスとの出会い。ルカ2:27,28.彼が御霊に感じて宮に入ると、幼子イエスを連れた両親が、その子のために律法の慣習を守るために、入って来た。すると、シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。
 シメオンが大切にしていた「宮」(神殿)でのできごととして記されています。シメオンにとって宮でイエスさまにお会いすることは、宮の主にお会いすることでした。 現在の「宮」は教会堂です。礼拝のために聖別された建築物です。この会堂でキリストにお会いすることとなるのです。教会堂が用いられて多くの人がキリストとの出会いができるようにと願うものです。もう一つ、現在の「宮」はクリスチャンです。キリストを救い主と信じて生活する人によって、人々はキリストと出会い、礼拝の民となるのです。
 私たちクリスチャンの使命の大きさに感謝したいものです。

3、シメオンの喜び。ルカ2:28 〜32.すると、シメオンは幼子を腕に抱き、神をほめたたえて言った。「主よ。今こそあなたは、あなたのしもべを、みことばどおり、安らかに去らせてくださいます。私の目があなたの御救いを見たからです。御救いはあなたが万民の前に備えられたもので、異邦人を照らす啓示の光、御民イスラエルの光栄です。」
 シメオンの喜びは、「幼子を腕に抱き、神をほめたたえ」(ルカ2:28) る喜びでした。聖書の時代であってもイエスさまを抱くことができた人は少ないでしょう。それができたシメオンは、喜びにあふれたのです。情景が目の前に見えるようです。
 シメオンの喜びは、「私の目があなたの御救いを見たからです」(ルカ2:30) とあるように、見たという喜びでした。シメオンにとって「救い」は、異邦人、御民(イスラエル・選民)に及ぶ世界の救いであつたのです。(ルカ2:32)
  シメオンは、この救いを喜ばずにはおられなかつたのです。
 私の喜びも救い主イエス・キリストです。一人の女性から"イエス・キリストと呼び捨てにしないで、イエスさまといってください"と言われたことがあります。その時気がついたことはイエスの人格理解、"イエスさまなんだ"という喜びでした。それは今も続いている喜びです。

                              引退牧師 富 澤 誠 治
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